唐津(からつ)焼は「一井戸、二楽、三唐津」という茶碗の格付けがあるように、昔から茶の湯の名品として多くの茶人に愛されてきました。唐津焼は、唐津市北波多(きたはた)に位置する岸岳(きしだけ)城主波多氏の領地で焼かれたことが始まりとされています。そこに残る古窯跡は、竹を真っ二つに割ってふせたような形から割竹式登り窯といわれ、朝鮮半島の技法を伝えるものであり、大陸とこの地の関係の深さがわかります。 岸岳城主波多氏没後、岸岳系古唐津の陶工たちは、豊臣秀吉の朝鮮出兵、文禄・慶長の役(1592~1598)によって、連れてこられた朝鮮の陶工たちと共に、松浦(まつうら)古唐津、多久(たく)古唐津、武雄(たけお)古唐津、平戸(ひらど)古唐津を形成していきます。多久古唐津を開窯していた李参平(りさんぺい)は元和2(1616)年有田泉山で磁鉱石を発見。陶器から磁器へと転換し、やがて有田焼を誕生させます。このストーリーが「日本磁器のふるさと肥前~百花繚乱のやきもの散歩~」として日本遺産の認定を受けています。有田焼の誕生により、多久古唐津と平戸古唐津は消滅。残った松浦古唐津は唐津藩の御用窯として、武雄古唐津は日常生活雑器を作る民窯として、その技を現在まで伝えています。 唐津焼の魅力は、使うほどに味わい深く、艶やかになっていく変化が魅力。第一級の茶道具として評価されるのもうなずけます。現在でも飾らないシンプルな絵付け、温かみのあるさわり心地は健在で、70近くの窯元があります。
- 所在地
- 〒847-0043 唐津市新興町2881−1 唐津市ふるさと会館アルピノ2F
- お問い合わせ先
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唐津焼協同組合
TEL:0955-73-4888
- 備考
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【唐津焼を楽しめるスポット】
●ふるさと会館アルピノ(唐津市)…TEL 0955-75-5155
唐津焼の各窯元の作品を一堂に展示、販売。唐津の特産品のショッピングが楽しめます。
●中里太郎右衛門陶房(唐津市)…TEL 0955-72-8171
古唐津の伝統を守りながら新しい作品に挑みつづける14代中里太郎右衛門氏の陶房。独特の叩きの技法で知られる13代中里太郎右衛門、人間国宝故12代中里太郎右衛門の作品や古唐津を展示。
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