誰もが経験したことのないような前代未聞の暑~~い季節もようやく過ぎ、いよいよ待ちに待った行楽シーズンの到来!どこかへ出かけたくなったら、カメラやスマホを持って写真を撮りに出かけてみるのはいかが?
今回は佐賀県の中央より少し南に位置する白石町を訪れました。白石町は、山と平野、川と海といった美しい自然に囲まれて、散策にもぴったり!景色を上手に撮るコツや、上級者向けのリフレクト写真などテクニックが必要な撮り方もレクチャーしています。白石町の歴史を知るとっておきの絶景が楽しめるスポットに、早速カメラを片手にレッツゴー!!
まるで天下を取った気分!?白石町を一望する展望台からの眺め
秋の高い空に誘われてやって来たのは白石町にある肥前犬山城展望所(ひぜんいぬやまじょうてんぼうじょ)。標高342メートル、杵島山の高峰犬山岳の頂上にあり、白石町をはじめ佐賀平野から、干満の差日本一を誇る有明海まで一望する絶景が楽しめるスポットでもあります。
展望台がお城の形をしているので、てっきりこの場所に昔お城があったのかと思ったら、違いました。
案内板によると、眼下に見える小高い丘陵の中で一番大きなものが須古(すこ)城跡、とあります。戦国時代に周辺を治めた平井氏の居城で、同時代末期に平井氏を討ち取った、肥前の戦国大名、龍造寺隆信が大規模改修をしたという城跡には現在も、隆信時代の石積みなどが残っています。隆信が沖田畷(おきたなわて)の戦いで戦死した後は、隆信の異母弟、信周(のぶかね)を初代とする須古鍋島家が、明治に至るまで須古一帯を治めたんだそう。
そんな歴史を一望する場所に建てられた城型展望所の屋根には、須古鍋島家の家紋「花杏葉紋」があしらわれています。
展望所からの眺めはまさに天下を取ったような気分になれる絶景スポット!撮影ポイントを意識して、3パターンの画角で撮影しましょう!
写真パターン①ノーマルカット
広大な佐賀平野を舞台に、先人たちはどんな思いで決死の攻防戦を繰り広げていたのでしょうか。過ぎ去った気が遠くなるような時間の向こうへ、町の成り立ちに思いを馳せながら感慨深くシャッターを切れば、奥行きのある写真になることまちがいなし!
写真パターン②額縁風カット
天下統一した殿様のような気分でパノラマ写真を撮影するのも良し、城の窓を額縁に見立ててピクチャーウインドーのように撮るのもアリです。
写真パターン③前ボケカット
また、手前に建物を前ボケで撮影し、「眺めが良い場所」を強調するのもオススメ!展望台の背後にはこれまたちょうど良い高さの土手があるので、足元に気を付けてぜひ登ってみてくださいね。
★風景撮影のポイント★
①絞り優先モードで撮影。
②絞り値(F値)を8よりも大きく設定する。
③キレイな青空込みで撮影したいときは、朝から12時までの時間帯がベスト。
④遠景をしっかり写したい風景写真は、三脚は必須!ブレ軽減し、縦横がゆがむ心配もない。
☆今回撮影した写真情報☆
★絞り優先モード
撮影時間帯:12時
カメラのモデル:Canon EOS 6D Mark II
絞り値:F/8
露出時間:1/2000秒
ISO:400
焦点距離:24ミリ
スポット名 | 肥前犬山城展望所 |
---|---|
所在地 | 佐賀県杵島郡白石町大字堤 |
電話番号 | 0952-84-7123(白石町役場商工観光課観光係) |
駐車場 | 普通車56台 |
アクセス | 長崎自動車道武雄北方インターチェンジから車で20分 JR長崎本線肥前白石駅から車で10分 |
愛のメッセージが込められた歌碑がある、出会いのパワースポット
さて、肥前犬山城展望所がある杵島山は、奈良時代の「肥前国風土記」にも記され、日本三大歌垣(茨城県筑波山、大阪府歌垣山)のひとつにも数えられています。
ところで、「歌垣」って何のこと?調べると、歌垣とは、特定の日時に若い男女が集まって求愛の短歌などを詠み、互いの思いを伝え合う古代の行事の事。
東南アジアにも存在する風習だそうですが、日本では万葉集などに歌垣の文化があったことが伺えるのだそう。歌で恋が叶うかもしれないなんて、素敵ですね。
杵島山中腹にある「歌垣公園(うたがきこうえん)」は出会いのパワースポットとしてもご利益があるとか。敷地内にはこの歌垣にちなみ、「愛」をテーマにしたコンテストで全国から募った短歌が掘られた歌碑がいくつも飾られています。身近な人へあてた31文字や、ふるさと・白石を思う歌などを読みながら歩いているだけで、こちらまでほっこりした気分に。
敷地内には7万本のツツジが植えられており、春のお花見の季節はとても大勢の人で賑わいます。こちらにも展望台があります。雄大な景色を眼下に、大切な人に言葉で思いを伝えてみませんか。
スポット名 | 歌垣公園 |
---|---|
所在地 | 佐賀県杵島郡白石町 |
電話番号 | 0952-84-7123(白石町役場商工観光課観光係) |
駐車場 | 100台 |
アクセス | 長崎自動車道武雄北方インターチェンジから車で20分 JR長崎本線肥前白石駅から車で10分 |
水が湧き出る縫ノ池でリフレクト写真にチャレンジ!
山のふもとには、こんこんと水が湧き出るスポット「縫(ぬい)ノ池」があります。厳島神社のメタセコイアやイチョウの木が、澄み切った水面に鏡のように映り込み、言葉を失う神秘的な美しさ。これはぜひ写真に収めなくては!!
縫ノ池の写真を撮影するには、リフレクト写真がイチオシ!リフレクト写真とは、水面やガラスなど、物を映し出す表面に被写体を反射させて写すことです。
撮影のポイントを押さえてチャレンジしてみましょう。
★リフレクト撮影のポイント★
①風のない日を選ぶ。
②実像と反射の両方を写すため、F値を高く設定してボケを抑えるため、F8~11
③水平垂直を意識して、上下二分割で両方をしっかり写すことで、よりダイナミックに!
④カメラは地面スレスレに構えて撮影。
☆今回撮影した写真情報☆
★絞り優先モード
撮影時間帯:11時ごろ
カメラのモデル:Canon EOS 6D Mark II
絞り値:F/8
露出時間:1/500秒
ISO:400
焦点距離:24ミリ
縫ノ池では一年中、一日を通して美しい景色を望めますが、リフレクト写真を撮るなら、オススメは水面が波立たない風のない日に限ります!私が訪れた日はあいにく台風の余波でちょっと水面が揺れていましたが、それでも青空に映える光景に心奪われました。時々跳ねる魚が作り出す波紋も情緒豊か。イチョウが黄色く色づくこれからの季節も写真映えすること間違いなしです。
実は縫ノ池は昔から「金妙水(きんみょうすい)」とも呼ばれ、水を汲みに訪れる人も多い湧水ですが、実は2001年まで40年間も干上がってしまっていたのだそう。案内板には、高度経済成長期だった昭和30年代から、かんがい用水や飲料水のために地下水を過剰に汲み上げてしまったため、それまで出ていた湧き水が止まり、水の溜まらない状態が続いたとあります。地下水の汲み上げをやめると、以前の清らかな池に戻りましたが、自然を大切にしなければどうなるかという警鐘や、教訓が詰まっているようなエピソードですね。
白石町の写真散歩、いかがだったでしょうか。この光景がどのようにしてできあがったのかや、未来へ残したい思いなどを込めて撮影するだけでも、心に残る一日になるはず。出会った風景との一期一会を大切にしながら、自分ならではのベストショットを追求してみてくださいね。
スポット名 | 縫ノ池 |
---|---|
所在地 | 佐賀県杵島郡白石町湯崎2463-1 |
電話番号 | 0952-84-7123(白石町役場商工観光課観光係) |
駐車場 | 近隣にある川津公民館広場に数台分あり |
アクセス | 長崎自動車道武雄北方インターチェンジから車で17分 JR長崎本線肥前白石駅から車で10分 JR肥前竜王駅から車で9分 |