400年以上の歴史を誇る”伊万里・有田焼”や”唐津焼”も有名ですが、佐賀には和紙や織物、ガラス工芸品、人形など、匠の技が光る多くの伝統工芸品があります。その伝統は受け継がれながら時代に合わせて新たなデザインなども生まれ進化しています。
そんな佐賀の伝統工芸品をご紹介します。
名尾手すき和紙【佐賀市】
300年以上の伝統を守る手すき和紙
かつて和紙の一大産地であった名尾には、最盛期100軒以上の工房がありましたが、今では『名尾手すき和紙工房』のみとなりました。ここでは、通常、和紙の原料となる楮(こうぞ)ではなく、同じクワ科の梶(かじ)の木を栽培して使用しています。太くて強い繊維を生かし昔から提灯や障子紙に使われており、「博多山笠」や「唐津くんち」、長崎の「精霊流し」、また世界的なアパレルブランドのカタログに使用されるなど高い価値を誇っています。
問合せ先:名尾手すき和紙工房(0952-63-0334)
『ぺたぺたパネルワークショップ』
工房に隣接する築200年ほどの民家を改装したギャラリー&ショップで、色とりどりの和紙の中から好きな4枚をチョイスし、自由な発想で木のパネルを制作できます。お一人から楽しめ、その日のうちに持ち帰ることが可能です。
期間:通年
時間:10時から15時(所要時間30分から60分)
料金:2,000円
予約:事前予約要
【伝統工芸】名尾手すき和紙
肥前ビードロ【佐賀市】
日本で唯一受け継がれる伝統技法
佐賀市の重要無形文化財に指定されている宙吹き(ちゅうぶき)ガラス食器の「肥前びーどろ」。1852(嘉永5)年に佐賀藩10代藩主・鍋島直正公によって設置された「精煉方(せいれんかた)※今で言う理化学研究所」で、当時めずらしかったガラスの生産が行われたことを発祥とします。
肥前びーどろの最大の特徴は、「肥前かんびん」や「長崎ちろり」などの口のある商品を製作する際に用いる宙吹き(ちゅうぶき)技法の一つである「ジャッパン吹き」にあります。型を用いず息を吹き込んで宙空で成形する宙吹きは最も一般的な技法ですが、ジャッパン吹きは鉄の吹き竿の代わりにガラスの友竿(ともざお)を使うことによって、空気以外のものに触れることがないため、よりなめらかな肌合いに仕上がることから、高品位のガラス器として珍重されています。現在その伝統を受け継ぐのは、精煉方から独立した「副島硝子工業」のみとなっています。
5色のガラスを使い、光に通すと綺麗な虹色が美しい「虹色グラス」をはじめ伝統の製法で仕上げられる酒器やグラス類はおみやげやギフトに好評です。
問合せ先:副島硝子工業(0952-24-4211)
肥前びーどろ
尾崎(おさき)人形【神埼市】
素朴で愛らしいデザインが魅力!
素朴で愛らしい形をした陶製の「尾崎人形」は、神埼市尾崎に伝わる郷土玩具です。元寇の際に伝わって以降約700年間、時代の流れの中で何度か途絶えそうになりながらも復活・継承され、現在は「尾崎人形保存会」で製作が続けられています。人形は鳥や相撲取り、縁起物などさまざまなものがあり、どれも心が安まる柔らかな表情をしています。息を吹き入れると「ホーホー」と音が鳴る土笛になっていたり、人形のなかに玉が入った土鈴になっていたりと子どもがよろこぶ仕掛けも。
「尾崎人形保存会」では、絵付け体験をすることも可能です。
問合せ先:尾崎人形保存会・高柳(0952-53-0091)
【伝統工芸】尾崎人形
弓野人形【武雄市】
親しみやすいフォルムが人気
武雄市「弓野人形」は、佐賀県の伝統的地場産品の指定を受けた人形です。博多人形師・原田亀次郎が博多人形の完成美に飽き足らず九州各地で修業したのち、1882(明治15)年に弓野地区に製作をはじめた土人形が発祥と言われています。その後、節句人形、土人形、鳩笛などさまざまな人形が生まれ、弓野人形は佐賀県内で広く親しまれるようになりました。
弓野人形の特徴は、胡粉を厚く塗ったぽってりとした形と鮮やかな彩色。誕生当初は博多人形に近い洗練された作風でしたが、次第に親しみのある素朴な人形へと変化していき、現在の姿になりました。素朴な可愛さと親しみやすい姿についつい見入ってしまいます。
問合せ先:江口人形店(0954-28-2028)
のごみ人形【鹿島市】
「カラカラ」という素朴な音に心和む
素朴で愛らしい郷土玩具「のごみ人形」は、終戦時の混沌とした時代に「世の中を明るくしよう」という思いを込めて染色工芸家の鈴田照次氏が考案した土人形です。戦後数年を経て、日本三大稲荷のひとつに数えられる鹿島市「祐徳稲荷神社」の参詣みやげとして販売されるようになり、魔除けや開運の人形として親しまれています。また、「十二支土鈴」の人形のうち「うさぎ鈴」「ひつじ鈴」そして「稲荷駒」が昭和から平成の年賀切手の図柄として採用されたことでも知られています。一つずつ愛情込められて作られているのごみ人形は、ぽってりとした丸っこい姿とカラフルな色使いが特徴で、振ると「カラカラ」という素朴な音が多くの人の心を和ませてくれます。
問合せ先:のごみ人形工房(0954-63-4085)
【伝統工芸】のごみ人形
佐賀錦【佐賀市】
縦糸と緯糸が織りなす鮮やかな紋様
「佐賀錦」は、江戸時代末期に肥前鹿島鍋島家の藩主夫人が天井の網代組(あじろぐみ)の美しさに心打たれ発案された織物です。袋物や袱紗(ふくさ)、帯などに用いられ、鍋島家の婦人の手によって受け継がれました。明治初期に一時生産が中断されましたが、その後、佐賀県出身の大隈重信候によって再興されると旧華族の間で大変評判となりました。1910(明治43)年に開催された「日英大博覧会」に出品されたのを機に「佐賀錦」と名付けられ、金や銀、漆を貼った特製の和紙を細く裁断したものを縦糸に、染色した絹の撚糸を緯糸(よこいと)とし、伝統的な網代(あじろ)、紗綾(さや)型、菱などの優美な紋様に織り上げられます。すべて手織りで行われており、1日わずかしか織り進むことができません。現代では、和装小物や財布、アクセサリーなどに使用されています。
問合せ先:佐賀錦振興協議会(0952-22-4477)
『手織り体験と小物作り(キーホルダー、ピアス、イヤリング、タイピン)体験』
実際に「佐賀錦」の手織り体験(約30分)をした後、キーホルダーやピアス、イヤリングなどオリジナルで作ることができます。講師が丁寧にお教えします。
場所:佐賀市歴史民俗館 旧福田屋
期間:休館日(月曜日)を除く
時間:10時から15時(所要時間30分から60分)
料金:手織り体験(約30分)無料/キーホルダー作り 1,000円(約30分)/ピアス、イヤリング、タイピン作り 1,500円(約30分)
※事前に準備された佐賀錦の中からお好きな柄を選んで、キーホルダーやピアス作りをします。体験で編んだ佐賀錦は利用しません。
予約:4名以上は事前予約要。
【伝統工芸】佐賀錦・鹿島錦
ここでも買えます
SAGA MADO(JR佐賀駅前)
JR佐賀駅前コムボックス内にある観光・県産品ショップ「SAGA MADO」。コンシェルジュがあなたにぴったりの佐賀の旅を提案してくれるほか、今注目の県産品を季節ごとに厳選してご紹介。定期的に体験イベントも行っている、佐賀の旬を知ることができるスポットです。
sagair(九州佐賀国際空港)
2021年に九州佐賀国際空港2階に誕生した佐賀県産品を集めたスーベニアショップ。「佐賀ならでは」の物産品を販売しています。また、BARコーナーでは佐賀酒の味わいと食と器を楽しむことができ、佐賀酒文化に触れることができます。
九州佐賀国際空港
佐賀県内の道の駅
佐賀県には9つの個性豊かな道の駅があります。
その土地でしか出会うことが出来ないオリジナル商品など「うまかもん」&「よかとこ」が勢ぞろいです!