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写真:展示ルーム

友達や家族と一緒に! 春休みにもおすすめ、行ってみたい工場見学!

中島丈晴
2024年02月22日

佐賀県内には食品工場を中心に工場見学ができる施設があります。普段、食卓で使うあの商品がどのように作られているかを見ながら、学ぶことができ、意外な発見もあるかも。今回は、おすすめの2つの工場を訪ねてみました。春休みの予定の1つにどうでしょうか。


このページ内で紹介しているスポット一覧


 

味の素 九州工場

写真:味の素工場の入口
写真:味の素工場の内部

JR佐賀駅からバスと徒歩で約30分、佐賀大和インターチェンジから車で40分、筑後川にも面した佐賀市諸富町にある「味の素 九州工場」。神奈川県川崎市の「川崎工場」、三重県四日市市の「東海工場」と合わせて国内に3カ所ある工場の1つで、ここでは食品や医薬品の原料となるアミノ酸や、「味の素®」「うま味だし・ハイミー®」などのうま味調味料などを生産しているそうです。

工場見学だけじゃない!「うま味」やおいしさについて学ぶコースも

工場見学は「感じて納得!アミノ酸のチカラ」がメインコース。セミナールームや展示フロアで、味の素グループの歴史や九州工場で生産する商品について、スライドやビデオを使い、スタッフから説明を受け、工場内をバスで見学。セミナールームに戻って「うま味」体験などで締めくくる約60分のコースで、個人や家族、少人数のグループのほか、15人以上の団体でも見学体験できます。

写真:展示ルーム

そのほか「『味の素』 Umamiなるほど講座 イベントコース」は、「うま味」の歴史や機能を学ぶ座学と「味の素」の歴史や製法を知る展示見学、「うま味」の試飲や試食を通じた体験やうま味調味料使いこなし術の紹介など、「うま味」に特化した約60分の講座。

親子向けの「『あじのひみつ』親子イベントコース」では、クイズや実験を通じておいしさのひみつを解き明かすプログラムや、おいしさのひみつを味、香り、食感などの関わりから詳しく学ぶ座学を中心とした座学があるなど、うま味の体験を行う約70分のコース。

それぞれのコースは、味の素九州工場のホームページに翌月までの開催日時が掲載されていますので、申し込みフォームから予約できます(見学2日前まで。以降は電話でお問い合わせください)。

アミノ酸を感じる。工場見学を体験!

メインコースの「感じて納得!アミノ酸のチカラ」を体験してきました!
まず、セミナールームで味の素の歴史や商品について学んだ後、展示フロアにて九州工場や味の素の歴史、商品についての説明を受けます。

写真:動画にて説明を受ける様子

九州工場の敷地面積は約21万平方メートル(約7万坪)。「福岡PayPayドーム」約3個分あるそうで、展示フロアの空撮写真からその広さがわかります。1943年(昭和18年)に創業し、昨年80周年を迎えた九州工場。創業当時はまだ、トラック輸送が主流ではなかった頃で、河川や海を活用するため、工場が面する筑後川に貨物船が停泊できる桟橋があったほか、当時、佐賀と福岡県・瀬高を結んでいた国鉄佐賀線の引き込み線が工場内まで繋がっていたそうで、輸送を意識した立地だったことがうかがえます。

工場では味の素の社員が約250人働いていて、工場に関わる協力会社を含めると約500人が働いているそうです。すぐ隣には「味の素冷凍食品」の九州工場もあります(こちらの工場は見学の受け入れはしていないそうです )。

写真:展示パネル

「味の素」は1908年に池田菊苗(いけだきくなえ)博士が「うま味」を発見。「日本人の栄養状態を改善したい」と二代鈴木三郎助(すずきさぶろうすけ)が味の素を発売したところからグループが始まったとのこと。

写真:見学内容についてのパネル

「味の素」のパッケージの歴史、サトウキビなど「味の素」に使われている原料、九州工場のアミノ酸の発酵タンクの大きさ(高さ23.5メートル、直径7.7メートル、容量535キロリットル)など、パネルなどの展示で知ることができます。

写真:展示物パッケージには創業時の屋号「鈴木商店」の記載
パッケージには創業時の屋号「鈴木商店」の記載
写真:展示物パッケージの素材もデザインも様々
パッケージの素材もデザインも様々
写真:アミノ酸ができるまでの展示
“アミノ酸ができるまで”のミニチュアサイズも!

「アジパンダ®バス」で工場敷地内を巡る!

味の素のかわいいキャラクター「アジパンダ」が描かれたバスに乗って、工場の敷地内を見学します。

写真:アジパンダバス

アミノ酸の生産は大きなタンクの中で発酵が行われるということで、このタンクなど関連施設をバスに乗ったまま回ります。なお、写真撮影ができないので、実際の雰囲気はぜひ工場見学で体験してください!

写真:セミナールームにて味の素の説明を受ける様子

工場見学の後は、セミナールームに戻って「うま味」による変化の体験です。ダシなしのみそ汁を試飲した後、「味の素」を2〜3振り加えたみそ汁を試飲。おいしさが増すことを実際に知ることができました。

最後に、グッズなどを購入することできる「アジパンダ」ショップで、見学は終了です。見学記念のお土産ももらえました!

写真:味の素関連グッズ

味の素九州事業所総務部の田中寿和さんは「工場見学は年間通じて行っていますが、夏休みや春休みに子どもたちや親子連れの見学が大変多いです。皆さんの見学をお待ちしています」と呼びかけています。

 

スポット情報(2024年2月22日現在)
スポット名 味の素株式会社九州工場
住所 佐賀市諸富町大字諸富津450
電話番号 0120-474-963
受付時間8時30分から16時30分(平日、12時から13時除く)
見学実施日 月曜日から土曜日のうち、指定日(年末年始、工場の指定休日を除く)
見学所要時間 約1時間
料金 無料
予約方法 事前予約が必要
ホームページから希望する見学日時を選択して申し込み(見学2日前まで、以降は電話でお問い合わせ)
予約受付期間  見学希望日の1ヶ月前の1日から見学希望日2日前まで
以降の予約変更・キャンセルは電話にて
駐車場 有り(無料)
アクセス バスの場合
JR佐賀駅バスセンターより
 西鉄バス 柳川行き または佐賀市営バス 諸富経由早津江行き 諸富橋下車 (所要時間25分+徒歩5分)
西鉄柳川駅より
 西鉄バス JR佐賀駅バスセンター行き 諸富橋下車(所要時間27分+徒歩5分)
自家用車の場合
 佐賀大和インターチェンジより車で40分
 東脊振インターチェンジより車で30分
 八女インターチェンジより車で30分
 みやま柳川インターチェンジより車で40分
 佐賀空港より車で25分
備考 味の素 九州工場(外部リンク)

 

味の素株式会社九州工場

詳細情報を見る

キユーピー鳥栖工場

写真:キユーピー鳥栖工場の入口

JR鳥栖駅から車で約10分、鳥栖インターチェンジから車で約5分。1964年(昭和39年)に創業し、今年60周年を迎えたキユーピー鳥栖工場。キユーピーは全国に鳥栖を含む6つの工場がありますが、そのうちの鳥栖工場、茨城県の五霞(ごか)工場、兵庫県の神戸工場の3工場で見学することができます。鳥栖工場の敷地面積は約4万7千平方メートルで、約900人が働いています。
業務用を中心したマヨネーズやドレッシング、ベビーフードなどを作る工場のほか、マヨネーズなどに使う卵を割る「割卵」などを行う「キユーピータマゴ」、パッケージサラダを製造する「サラダクラブ」、総菜を製造する「トスデリカ」など6つの会社が入っています。

写真:工場説明の様子

工場見学はインターネットで予約状況の確認と予約を受け付けています。実際に見学に行ってきました。

マヨネーズに使う卵を高速で割っていく様子がすごい!

見学内容は、工場の概要の説明があった後、割卵工程を見学。キユーピーマヨネーズについてのクイズや、わかりやすく紹介する映像を観て、キユーピーのマヨネーズやドレッシングの試食を行うコースです。

写真:割卵機見学

割卵工程の見学ではキユーピーが独自に開発した割卵機が並んでいて、1分間に600個の卵を割り、一瞬のうちに卵黄と卵白に分けている様子を見ることができます。見学スタッフの方が模型を使って卵を割る仕組みを教えてくれます。割って分けられた卵黄はマヨネーズの工程に使われますが、それだけでなく、卵白はお菓子やかまぼこ、ハムなどに、殻はカルシウム強化食品などの商品に使い、無駄なく活用していると聞いてちょっと驚きました。

写真:動画を観ながら説明を受ける様子

マヨネーズについての動画上映やクイズでは、マヨネーズの起源やおいしさの秘密、マヨネーズの種類のことなど、楽しく学ぶことができました。

キユーピーのマヨネーズやドレッシングを味わおう!

写真:サラダとキューピーのドレッシング各種

最後は試食です。キユーピーで製造するさまざまな種類のマヨネーズはもちろん、アレルギーに対応した卵を使わないマヨネーズタイプの「エッグケア」、鳥栖工場で製造し、九州・沖縄地区で限定販売されている「九州を味わうドレッシング」を「サラダクラブ」のサラダと一緒に試食を楽しむことができました。

写真:工場内にあるキューピーのお店の外観

試食したマヨネーズやドレッシング、キユーピーグッズは、工場内にあるショップで購入することができます。工場関係者以外では見学者だけが入ることができるショップですので、こちらも要チェックです。

写真:各国のパッケージ
なかなか見ることができない、世界各地のパッケージ展示も

見学の記念にお土産も。マヨネーズはもちろん、卵の形のくじを引いてもらえるものが変わるというお土産もあり、子どもたちにはちょっとした楽しみになるかも。お土産は時期によって変わるそうです。

写真:工場見学のお土産

キユーピー鳥栖工場の山口早耶香さんは「土曜・日曜は工場休みなので、平日のみとなる工場見学。夏休みや春休みの見学予約はとても多いです。他にも小学生など学校単位の社会科見学のほか、大人の団体からの見学予約もあります。マヨネーズの奥の深さを知ってもらえると思うので、お待ちしています」と呼びかけます。

 

スポット情報(2024年2月22日現在)
スポット名 キユーピー株式会社 鳥栖工場
住所 鳥栖市田代外町701
電話番号 0942-83-3120
受付時間9時30分から12時/13時から16時 (休業日を除く)
見学実施日 月曜日から金曜日のうち、指定日
見学所要時間 約1時間
料金 無料
予約方法 完全予約制 電話、インターネット
注意事項 生産の都合により、ラインが稼働していない場合あり
駐車場 大型バス2台、自家用車7台
※駐車スペースに限りあり
アクセス アクセス    電車の場合
 JR鹿児島本線・鳥栖駅下車 車で10分
車の場合
 九州自動車道・鳥栖インターチェンジより 国道34号線 車で5分
備考 キユーピー鳥栖工場(外部リンク)

 

キューピー株式会社 鳥栖工場

詳細情報を見る

春休みなどに楽しめる県内の工場見学施設を2カ所、紹介しました!楽しみながらも学びにもなる工場見学。ぜひ行ってみてはいかがでしょうか。

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中島丈晴

佐賀を訪れる人は街や町、スポットを創り上げる人々とそこに至るストーリーに共感されているのではと感じています。
『佐賀経済新聞』運営や『佐賀バルーンフェスタ』広報等を担う中でふと気づく、佐賀の人やスポットのストーリーをお伝えしていきます。

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    柴田愛梨

    愛知県岡崎市出身。お試し移住などを体験し、佐賀の虜に。
    現在は海の近く唐津市に拠点を置き、フリーランスで活動中。歴史、やきもの、温泉、おいしい食べ物…そして人の温かさ。佐賀の魅力は数え切れないほど。楽しみながら魅力発信をしていきます!

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    佐賀県神埼市出身。趣味は、新店めぐり、山登り、映画&ドラマロケ地巡礼。神埼そうめん、北方ちゃんぽん、日ノ隈山山頂からの田園風景が大好き。佐賀の温かい人々との出会いを大切に、地元の魅力を再発見・新発掘できる旅を提案します!

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