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写真:有明海のムツゴロウ

日本最大の干潟・有明海を たっぷり楽しむ! 道の駅鹿島の干潟体験・むつかけ体験

中島丈晴
2024年06月28日

佐賀県の南側に面し、日本最大の干潟・有明海。福岡や熊本、長崎にも面する有明海干潟の総面積は約200平方キロメートルで、日本の干潟の約40パーセントを占めているそうです。干満差も日本最大で、満潮時と干潮時の差は最大で6メートル以上。干潮時には海水が見えなくなるほどの広大な泥地が姿を現し、珍しい風景を体験することができます。

写真:干潟全体
提供/道の駅鹿島

そんな有明海干潟には、ムツゴロウやシオマネキなど多様な生物が生息しています。この特徴的な有明海の干潟を体験できる場所が道の駅鹿島にあります。子どもから大人まで、どろんこになって遊べる干潟体験や、有明海に生息する珍魚「ムツゴロウ」を釣るむつかけ体験など、佐賀ならではという体験に、実は各地から「干潟マニア」も訪れているそうです。夏本番を迎えるこれからの時期におすすめです。


このページ内で紹介しているスポット一覧

※すべて鹿島市


 

干潟体験スタートはここから!

道の駅鹿島

写真:道の駅鹿島

佐賀市中心部から車で約1時間、国道207号線沿いにあり、有明海にも面している「道の駅鹿島」。1994年(平成6年)に佐賀県内で初めての道の駅として登録され、今年で30周年を迎えた、ちょっと歴史ある道の駅です。晴れた時には対岸の福岡県や熊本県の沿岸、長崎県の雲仙普賢岳を肉眼で見ることができるようです。今年4月に駐車場スペースが大きく広がり、リニューアルしました。国道を走る車からは今まで以上に道の駅が認識しやすくなり、車も止めやすくなりました。

「道の駅」なので車の利用がほとんどだと思いますが、JR長崎線・肥前七浦駅からも徒歩約10分。毎年6月上旬にはここ、「道の駅鹿島」隣の「七浦海浜スポーツ公園」を会場に「鹿島ガタリンピック」が開催され、臨時列車「ガタリンピック」などを利用して、各地から参加・観戦に訪れる方もいらっしゃいます。

ここ、道の駅鹿島では海が暖かい4月から10月にさまざまな体験を用意しています。道の駅鹿島の干潟体験課チーフの中島英貴さんにお話を伺いました。

写真:チーフの中島英貴さん
中島さんが持っている大きな板がむつかけ体験で使用する潟スキー

泥まみれに!干潟体験

有明海の干潟の泥は非常に細かく、粘り気が強いのが特徴ということですが、特に「道の駅鹿島」がある鹿島市周辺の有明海は、熊本、福岡、佐賀と反時計回りの潮の流れでより泥が堆積しやすいそうです。

有明海の干潟を思う存分、自由に楽しめる「干潟体験」。海が暖かくなる4月中旬から10月まで、干潟が見えている時間帯に随時行われていて、1人からでも体験できます。事前予約は不要ですが、「道の駅鹿島」のホームページに期間中の体験可能時間帯が掲載されていますので、天気予報と合わせて事前にチェックすると「あら、今は体験できない時間帯なのね」みたいなことがなくなります。

中には、長い時間体験できる日を狙い、沖の方の干潟の上で寝転がるという「干潟マニア」の人も福岡や関西など全国から訪れるそうです。体験料金には、靴下・タビ、ガタスキーの利用が含まれていますが、水着や汚れてもよいTシャツ、タオルなどの海水用具、短パンの準備が必要です。

写真:親子で干潟
提供/道の駅鹿島


ちなみに、修学旅行や社員旅行など団体向けには、「ガタリンピック」の人気競技を体験できる「ミニガタリンピック」を行っているそうで、年間およそ1万人の参加者があるそうです。お話を伺った日も関西からの修学旅行の一環で参加があると仰ってました。

写真:干潟を歩く人たち
提供/道の駅鹿島

<<干潟体験コース>>

料金 小学生以上700円(幼児400円)
※ガタスキー、温水シャワー使用料、潟タビ(13.5センチ以上)もしくは靴下を含む
体験期間 4月中旬から10月まで
体験時間 9時から17時(ただし潮が引いている時間)
※一般の方の受付は土曜、日曜、祝日、ゴールデンウィーク、夏休み期間中のみ
準備物 水着、汚れてもよいTシャツ、長袖、長ズボン、タオル等の海水浴用具
予約・お問合わせ先 15名以上は要予約、15名以下は予約不要
道の駅鹿島(外部リンク)
備考 ミニ水族館入館料:無料
シャワー室利用料:100円 (1人1回につき)
学習室利用料:1,730円 (1時間につき)
干潟交流館「なな海(み)」(外部リンク)

名人に倣おう!むつかけ体験

写真:むつかけ体験
提供/道の駅鹿島

「むつかけ」は、干潮時に干潟や泥地に生息するムツゴロウに針をかけて捕る伝統漁法で、潟スキーを使い、先端に針や針金がついて長くて細い竿で一本釣りするものです。ムツゴロウがいる場所を見つけたら、むつかけの先端を泥の中に差し込み、ムツゴロウを引っ掛けて捕まえ、針にかかると、素早く竿を引き上げて捕獲します。

ムツゴロウの動きを素早く察知し、適切なタイミングで竿を操作するという技術が求められ、経験豊富な「むつかけ師」は、ムツゴロウの生息場所や習性も熟知しているそうですが、現在、数人しかいないという非常に貴重な存在になっています。

写真:むつかけ体験ペットボトルで練習中
提供/道の駅鹿島

「道の駅鹿島」での「むつかけ体験」は、名人・岡本忠好さんの指導の元で行います。まず、むつかけの実演と説明を受け、陸の上でペットボトル目指して竿を振る練習をした後、干潟に入り、潟スキーで干潟を進む練習し、むつかけを実践するという一連を体験します。所要時間は3時間から4時間、本格的です。7月から10月が体験期間になっていますが、中島さんによると、9月から10月が初心者でも一番釣りやすい時期で、晴れて風がない時だとさらに条件が良くなるそうです。

写真:ムツゴロウ
提供/道の駅鹿島

体験された方からは、「難しかった」「思ったよりきつかった」などの声が。「もう1度リベンジしたい」など、また訪れたいというきっかけにもなっているかもしれません。

写真:青い空の下でむつかけ体験
提供/道の駅鹿島

<<むつかけ体験>>

料金 1人4,500円、2人以上3,500円(1人あたり)
※むつかけレッスン、潟スキーレッスン、用具レンタル料(潟足袋、潟スキー)、シャワーなどの施設使用料含。18歳以上のみ体験可能
体験期間 7月から10月(体験時間3時間から4時間)
準備物 水着・汚れてもよいTシャツ・長袖・長ズボン・タオル等の海水浴用具
予約・お問合わせ先 3日前までに要予約
道の駅鹿島(外部リンク)
備考 ミニ水族館入館料:無料
シャワー室利用料:100円 (1人1回につき)
学習室利用料:1,730円 (1時間につき)
干潟交流館「なな海(み)」(外部リンク)

 

スポット情報(2024年6月28日現在)
スポット名 道の駅鹿島(七浦海浜スポーツ公園)・千菜市
住所 鹿島市大字音成甲4427-6
電話番号 生鮮・加工品 0954-63-3391
営業時間 9時から18時
定休日 無休
アクセス 車の場合
佐賀駅から約1時間、九州佐賀国際空港から約1時間
長崎自動車道・嬉野インターチェンジから約30分
電車の場合
JR長崎本線・肥前大浦駅下車 徒歩約10分
備考 道の駅鹿島(外部リンク)

 

道の駅「鹿島」

詳細情報を見る

有明海干潟の貴重な生き物の生態がわかる!

干潟交流館

写真:干潟交流館

「道の駅鹿島」を訪れたけど、「干潮の時間帯に合わなかった」「天気が悪かった」「体験の時期ではなかった」などで干潟の体験をできなかった人はもちろん、有明海干潟に生息する生き物について知ることができる施設が「干潟交流館」です。

写真:干潟交流館内の様子

1階は干潟体験の受付やシャワー室がありますが、2階には有明海の広大な眺望を楽しめる展望デッキや有明海特有の生物を観察できるミニ水族館があります。「干潟でムツゴロウに会えなかった」という方もここで会えるかも(取材時6月28日現在、ムツゴロウの水槽はメンテナンス中です)。

 

スポット情報(2024年6月28日現在)
スポット名 鹿島市干潟交流館「なな海(み)」
住所 鹿島市大字音成甲4427-5
電話番号 干潟体験など:干潟交流館1階 0954-60-5040
ミニ水族館など:干潟交流館2階 0954-60-5028
営業時間 干潟交流館「なな海(み)」
5月から10月 9時から18時
11月から4月 9時から17時
定休日 干潟交流館「なな海(み)」
毎週月曜日(月曜祝日の場合火曜休館)
12月29日から1月3日 ※干潟体験は月曜も可能
アクセス 車の場合
佐賀駅から約1時間、九州佐賀国際空港から約1時間
長崎自動車道・嬉野インターチェンジから約30分
電車の場合
JR長崎本線・肥前大浦駅下車 徒歩約10分
備考 干潟交流館 なな海(外部リンク)

 

有明海を満喫できるかもしれない、干潟体験をご紹介しました。海が恋しくなる夏、今年は佐賀らしい海体験をしてみてはいかがでしょうか。

干潟交流館 なな海

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中島丈晴

佐賀を訪れる人は街や町、スポットを創り上げる人々とそこに至るストーリーに共感されているのではと感じています。
『佐賀経済新聞』運営や『佐賀バルーンフェスタ』広報等を担う中でふと気づく、佐賀の人やスポットのストーリーをお伝えしていきます。

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    愛知県岡崎市出身。お試し移住などを体験し、佐賀の虜に。
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