この夏の大きな話題といえば、20年ぶりの新紙幣発行!新1万円札の図柄に登場した渋沢栄一さんは書籍「論語と算盤」でも知られる通り、長い生涯において論語を生きる指針としていたそうです。
渋沢さん効果もあって、今また注目が集まっている論語。今回は、論語に所縁深い多久市をご紹介します!
「多久聖廟」を拝観して揚琴演奏を楽しみ、周辺の見どころスポットを巡る旅。音楽好きな方、中国文化ファンの方、伝統建築が好きな方、カジュアルにアートを楽しみたい方にもおすすめの多久観光ガイドです。
伝統建築で楽しむ特別な音楽体験
多久の論語教育と重要文化財「多久聖廟」
佐賀県のほぼ中央に位置する多久市では、江戸時代中期から論語が身近なものとなっていきました。
その起源は、多久4代領主の多久茂文公が領民に広く教育を普及するため、1699年に学問所「東原庠舎(とうげんしょうしゃ)」を開き、論語に基づく教育が行ったことといわれます。
さらに1708年には、孔子を祀る廟として「多久聖廟」が東原庠舎に隣接して創建されました。現存する孔子廟としては、栃木県の足利学校・岡山県の閑谷学校に次いで全国で3番目に古く、重要文化財として大切に保存されています。
ちなみに、現在でも多久の子どもたちは「論語カルタ」などを用いて、楽しく論語を学んでいるそうですよ。
多久聖廟および東原庠舎の付近一帯は公園となっており、孔子像や多久茂文公の像、論語句碑などが設置されています。
オレンジ色の看板には「論語の杜」の文字が見えます。
散策しながら句碑を眺めると、ちょっと賢くなった気分を味わえる…かも?
多久聖廟は、「禅宗様仏堂形式」といわれる日本の伝統的な建築様式ながら、中国風の装飾が随所に見られます。
天井には龍の装飾画、壁には麒麟のレリーフが。
柱のユニークな装飾にも注目してください。こんなところに象さんの彫刻は珍しいですよね。
ルーツは西アジア、異国情緒を楽しむ揚琴演奏
多久聖廟は、ふだんは一般公開されていませんが、事前申し込みすると揚琴ミニコンサートとあわせて入場・拝観できます。揚琴演奏者の趙勇さんに、揚琴についていろいろ教えていただきました。
「揚琴」という楽器は中国では伝統楽器としてよく知られているそう。仮にオーケストラの楽器を中国の伝統楽器を置き換えるなら、日本でも有名な「二胡」はバイオリン、この揚琴はピアノにあたるのだそうです。
また揚琴のルーツは西アジアにあり、約630年前に交易ルートに乗って持ち込まれた楽器が中国で発展し、現在の形式になったものだとか。エキゾチックな音色がそのルーツを思わせて、とても魅力的です。
鋼線を使った144本の弦を2本のバチで叩いて演奏します。つまり、音を出す原理はピアノと一緒なんですね。ただし、ピアノと違うところは音を止める機能がないこと。そのため音のコントロールが難しい一方で、余韻を趣き深く響かせることができ、演奏者の腕の見せ所なのだそうです!
多久聖廟の高い天井は、音を豊かに響かせて、揚琴の魅力をよりいっそう引き出してくれるのだとか。伝統楽器ならではの音色が中国風の建築装飾とあいまって、異国情緒に浸れるひとときでした。
趙勇さんの軽妙なトークとあわせて、ミニコンサートは約1時間たっぷり楽しめます。少人数のグループでも対応可能です。申し込みの詳細はリンク先のページでご覧ください。
スポット名 | 多久聖廟 |
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住所 | 佐賀県多久市多久町1642 |
電話番号 | 0952-74-2502(一般社団法人多久市観光協会) |
料金 |
見学のみ無料。 |
駐車場 | あり |
アクセス | 長崎自動車道多久インターから自家用車15分 昭和バス本多久バス停から徒歩15分 JR多久駅からタクシー10分 |
多久聖廟
神秘的な二千年ハスが見頃です
多久聖廟のすぐお隣には、神仏混合の寺院「聖光寺」があります。こちらは弥生時代以前の遺跡から発掘された種をルーツにする「二千年ハス」が有名です。多久聖廟前から小さな道でハス池へつながっています。
鮮やかなピンク色の花を咲かせる二千年ハスは7月上旬から中旬が見ごろです。筆者が訪れた6月末ごろは、葉のあいだからつぼみがたくさん顔を出し、これから花の盛りを迎えるところでした。
ぜひこの機会に、古代からよみがえった神秘的な美しさを堪能してください。
まるごとアートな街を歩こう「多久市ウォールアートプロジェクト」
さて、伝統的な音楽や建築、古代のハスを鑑賞したあとは、モダンな街中アートも楽しんでみてはいかがでしょうか?
多久市で盛り上がっている「多久市ウォールアートプロジェクト」は、JR多久駅周辺をはじめ市内で展開している、誰でも、いつでも、自由に、かつ無料で観覧できるパブリックアートプロジェクトです。2015年のスタート以来、壁画100か所を目指して続々と新作が公開されており、2024年6月現在は49か所で作品が展示されています!
ライブペインティングイベントが開催されることもあり、今後も目が離せないプロジェクトです。
2階建の建物の壁面いっぱいに描かれた大迫力の作品は、2024年春に完成した新作です!カッコイイ~!!
商店街の壁やシャッターをアート作品が鮮やかに彩る風景は、ワクワクと心が躍りますね。
羽ばたけ!新作ウォールアート「カチガラス」
2024年の新作アートから、佐賀県みやき町出身のアーティスト・Daichiさんの「カチガラス」をご紹介しましょう。Daichiさんは、以前から佐賀県の県鳥であるカチガラス(カササギ)を描きたいと考えていたそうです。
多久駅の南口を出てまっすぐに5、6分ほど歩くと、突き当りの倉庫の壁に描かれたカラフルなカチガラスが空に向かって羽ばたいています!
遠近感を利用して、こんな写真も撮ってみました!手乗りサイズのちびカチガラス…なんて。
アート作品を撮影・鑑賞するときは、通行する人や車両に十分注意してください。
これからもますます発展していく多久市ウォールアートプロジェクトの最新情報は、公式ホームページでご確認いただけます!
企画・運営 | 一般社団法人たく21 (多久市ウォールアートプロジェクト実行委員会事務局) |
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住所 | 佐賀県多久市北多久町大字小侍5769 多久市まちづくり交流センター |
電話番号 | 0952-20-2203(8時から22時) |
定休日 | 年末年始 ※毎月第一月曜日は20時まで、かつ一部利用制限あり |
長年愛されるレストラン「サンモリナガ」
音楽やアートで心を満たしたら、お腹も満たしたくなるところですね。
レストラン「サンモリナガ」は、ウォールアートが展開する商店街から歩いてすぐの国道203号線沿いにあります。車でも交通機関を使っても立ち寄りしやすい好立地で、県外からのお客様もたくさん訪れる人気のお店です。
おすすめはなんといっても佐賀牛バーグカレー(1,410円)!お店の看板のハンバーグとカレーを一緒にいただける、いいとこ取りメニューです。ライスの上に同サイズのハンバーグが乗ったビジュアルはインパクトばつぐん!
コク深い中にしっかりと辛味があるカレーは、カレー好きな方ならきっと気に入る味わいです。ハンバーグ&カレーの合わせ技も、間違いありません!
こちらは佐賀牛ロコモコセット(1,010円)。ライスに焼き野菜、目玉焼き、ハンバーグを乗せたプレートにお味噌汁がついています。
玉ねぎソースを絡めたハンバーグは、ふんわりとした歯触りなのにお肉の存在感がある食べ応え。お手ごろな価格で、佐賀牛の美味しさを目いっぱい感じられるのは嬉しいですね。
他にも生姜焼きや太平燕(たいぴーえん)などのお食事メニュー、コーヒーやアップルパイなどカフェメニューも充実しています。
店内にはカウンター席、テーブル席に掘りごたつ席まであって、お一人様から小さな子ども連れグループでもゆったりとお料理を楽しめます。
美味しいお料理とくつろげる雰囲気にファンも多く、親子2代で通っているお客様も少なくないそう。店主の森永さんの気さくな笑顔と人柄も、たくさんのお客様を惹きつけるポイントなのでしょうね。
スポット名 | レストラン サンモリナガ |
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住所 | 佐賀県多久市北多久町642-1 |
電話番号 | 0952-75-3457 |
営業時間 | 【平日】10時30分から14時、17時から20時30分 【土曜日・日曜日】10時30分から20時30分 ※オーダーストップ20時 |
定休日 | 毎週水曜日 |
駐車場 | あり |
アクセス | JR多久駅から徒歩約8分 |
備考 | サンモリナガホームページ(外部リンク) サンモリナガInstagram |