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写真:オルレ提供画像

【九州オルレ】海を感じながら 半島をたどる唐津コース

池松晃弘
2023年09月25日

九州オルレとは?

九州オルレは、九州の自然や文化、歴史を楽しみながら、ゆっくりと歩くためのトレッキングコースです。オルレとは韓国の済州島で始まり、済州の方言で「通りから家に通じる狭い路地」という意味です。
九州には2010年に佐賀県武雄市 で第1号コースが開設されて以来、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県の7県に18コースが整備されています。
各コースごとに距離や難易度が異なるので、初心者から上級者まで幅広い人が楽しめるのが特徴です。コース沿いには、自然や歴史、文化を感じられるスポットが点在しており、散策や観光も楽しめます。

唐津コースのおすすめスポット

今回歩いたのは、初心者向けと言われている唐津コース。所要時間は4〜5時間、距離は約11kmです。

初めてオルレに行かれる方はぜひガイドさんを付けることをおすすめします。オルレは初心者コースでも足場の悪い道や山の中を歩くことがあるので、先導してくれる人がいると安心です。

道の駅 桃山天下市(ももやまてんかいち)

写真:道の駅 桃山天下市の外観

唐津コースの出発地は『道の駅 桃山天下市(ももやまてんかいち)』。ガイドさんともここで合流しました。

写真:吉田餅屋さんのおはぎ

地元でとれた野菜などが販売しており、見ているだけでも楽しめます。唐津産にこだわる、吉田餅屋さんのおはぎの詰め合わせセットをおやつとして購入しました。濃厚だけど甘すぎないため食べやすい!ペロッと完食です。

スポット情報(2023年9月25日現在)
スポット名 道の駅 桃山天下市(ももやまてんかいち)
住所 佐賀県唐津市鎮西町名護屋1859
電話番号 0955-51-1051(代表)
営業時間 【農産物直売所】
7時30分から18時
【ときめき彩館】
9時から18時
店休日 1月1日から1月3日
桃山亭海舟のみ月曜日(祝日の場合は翌日)
駐車場 あり 100台(無料)
アクセス ■車:長崎自動車道多久インターチェンジより車で60分
■JR:JR唐津線・筑肥線唐津駅下車。大手口バスセンターより波戸岬行き乗車(所要時間約40分)、
名護屋城博物館入口バス停下車
備考 道の駅 桃山天下市(ホームページ)

道の駅「桃山天下市」

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前田利家陣跡(まえだとしいえじんあと)の森

写真:「前田利家陣跡の森」の入り口

スタート地点は「前田利家陣跡(まえだとしいえじんあと)の森」の入り口です。先が見えないほどの草木に、これから冒険に出るような気持ちになってワクワクします。

写真:目印のリボン
写真:目印の矢印

オルレのルートは、青と赤のリボンや矢印を参考にして進みます。

写真:目印の矢印

柱に矢印が書いているなど、見落としやすい目印もあるので、方向に迷ったときは注意深く辺りを見渡してみましょう。

写真:山道

登山ほどアップダウンは多くはないので、歩きながら話すこともできました。ただし雨が降っていたこともあり、足場が悪くなっていた箇所もあったので、滑らないように注意しましょう。

写真:コース中の様子

まるでおとぎ話に出てきそうな雰囲気です!有害鳥獣対策として、ガイドさんがジブリメドレーを流してくれました。

写真:黒い蝶々
写真:イノシシが穴を堀った跡
写真:真っ赤なカニ

大きな黒い蝶々や、イノシシが穴を掘った跡、素早すぎて近くで撮れなかったのですが、真っ赤なカニなど、生き物がのびのびと生きていることがわかります。

堀秀治陣跡(ほりひではるじんあと)

写真:堀秀治陣跡の看板
写真:堀秀治陣跡

最初に立ち寄ったのは、『堀秀治陣跡(ほりひではるじんあと)』。ここは当時の御殿や能舞台などが、他の陣跡より比較的整備されています。

写真:能舞台

こちらは、記録として残っているものでは1番古い能舞台。当時の様子に思いを馳せてしまいます。

串道(くしみち)

写真:串道

続いて見えてきたのは、400年続く道と言われる『串道(くしみち)』。豊臣秀吉が朝鮮出兵の際に整備した道と言われています。ガイドの福浦さんも雰囲気が好きとのこと。

写真:大きな根
写真:大きな根

剥き出しになった木の根は、迫力があり圧巻です。

茶苑 「海月」(ちゃえん「かいげつ」)

休憩として立ち寄ったのは『茶苑 「海月」(ちゃえん「かいげつ」)』。賑わったカフェのようなイメージをしていましたが、全く逆で落ち着いた茶室のような佇まいです。

写真:茶苑 「海月」の外観

緊張していると、ガイドの福浦さんから「作法とかはなく、楽にしていても大丈夫ですよ」とのこと。安心しました。

写真:茶苑 「海月」の内装

中に入るとまずはスタッフさんが出迎えてくださいました。上品な和の空間に心が落ち着きます。

写真:茶苑 「海月」の中庭

庭園が見える席にて和菓子と抹茶をいただきます。疲れた体が癒されました。

写真:和菓子

まずは和菓子をいただきます。中に芋の餡が入ったホロホロとした食感の品のある和菓子です。

写真:オリジナルの抹茶
写真:飲み終わった器の底

続いてオリジナルの抹茶をいただきました。程よい苦味が和菓子とよく合います。唐津焼の器も重厚感があって美しい。作法を気にせず嗜んでも問題ありませんが、せっかくなので、スタッフさんに作法を教えていただきました。

飲み終わった後、器を拝見するのも作法の一つとのこと。たしかに、器の底も模様が美しい模様が入っています。職人さんの細やかさに感嘆の声を漏らしてしまいました。
唐津コースでは唯一のお茶ができる休憩スポットです。日本らしい綺麗な写真が撮れるので、ぜひ休憩がてら立ち寄ってみてください。

スポット情報(2023年9月25日現在)
スポット名 茶苑「海月」(ちゃえん「かいげつ」)
住所 佐賀県唐津市鎮西町名護屋3458
電話番号 0955-82-4384
営業時間 9時から17時(入苑は16時30分まで)
店休日 水曜日、12月29日から1月2日
料金 ■大人510円(入苑、抹茶・和菓子付き)
■中学生以下300円(抹茶・和菓子、入苑は無料)
駐車場 あり 50台(無料)
アクセス ■車:長崎自動車道多久インターチェンジより車で60分
■JR:JR唐津線・筑肥線唐津駅下車、大手口バスセンターより波戸岬行き乗車(所要時間約40分)、名護屋城博物館入口バス停下車徒歩10分
備考 茶苑「海月」(ホームページ)

茶苑「海月」

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名護屋城跡(なごやじょうあと)

写真:名護屋城跡

続いて立ち寄ったのは名護屋城跡(なごやじょうあと)。名護屋城は豊臣秀吉が朝鮮出兵のために築いた城です。天守閣などは残っていませんが、城壁などから同時の栄華がうかがえます。
当時の技術では築城には約十数年かかることが常識でしたが、名護屋城はわずか半年で完成させたことなど、1人で来ていたら知り得なかったことをガイドの福浦さんに教えていただきました。

写真:名護屋城跡からの景色

雨が降っていたので霧がかっていましたが、天気が良ければ玄界灘も望めます。

写真:鏡石

城主の権力を示すために置かれる鏡石。ドーンと迫力があります。

スポット情報(2023年9月25日現在)
スポット名 名護屋城跡(なごやじょうあと)
住所 佐賀県唐津市鎮西町名護屋1931-3
電話番号 0955-82-4905(佐賀県立名護屋城博物館)
アクセス ■大手口バスセンターから昭和バスの呼子線から呼子・波戸岬線乗り継ぎ、または値賀・名護屋線に乗車し、「名護屋城博物館入口」停留所下車。博物館まで徒歩約5分(300メートル)
■唐津市街から車で約30分。
備考 佐賀県立 名護屋城博物館(ホームページ)

佐賀県立名護屋城博物館・名護屋城跡

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波戸岬(はどみさき)

写真:波戸岬のトルハルバン

いよいよ最終地点、波戸岬(はどみさき)に到着です。写真左を見ると目印のカンセも置いてあります。
モアイのような像は、トルハルバン(石のお爺さん)。済州(さいしゅう)オルレとして唐津市が西帰浦市との姉妹都市締結20周年を記念して韓国から送られたものです。

写真:ライターとトルハルバン

シュールで可愛らしかったのと、ゴールを記念して1枚パシャリ。雨に濡れましたが、ここまで来られてよかった〜。と達成感に浸ります。

スポット情報(2023年9月25日現在)
スポット名 波戸岬(はどみさき)
住所 佐賀県唐津市鎮西町波戸947
駐車場 無料(一部有料有り)
アクセス ■車:長崎自動車道多久インターチェンジから車で70分
■JR:JR唐津線、筑肥線唐津駅からタクシー利用で30分
■バス:唐津市大手口バスセンターから昭和バス波戸岬行き乗車、バス停波戸岬下車徒歩5分
備考 旅Karatu 唐津観光協会(外部リンク)

波戸岬(はどみさき)サザエのつぼ焼き売店

写真: サザエのつぼ焼き売店の外観

たくさん歩いたところで、お待ちかねの壷焼き屋台。ゴール地点から良い香りがしていて、食欲をそそられました。

サザエの壷焼きやイカ焼きをそれぞれ600円とリーズナブルにいただけます。飲み物もお酒やソフトドリンクなど種類豊富です。

写真:サザエとイカを焼く様子

その場で焼いてくださります。幸せな待ち時間です。

写真:イカ焼きとサザエのつぼ焼き

ついにいただきました!サザエはコリコリした食感と磯の香りが最高です。ほろ苦さが旨みを引き立ててくれます。イカ焼きは塩味でいただきました。イカの上品な甘みと塩がよくマッチしています。お酒ともよく合いそうですね。

スポット情報(2023年9月25日現在)
スポット名 波戸岬(はどみさき)サザエのつぼ焼き売店
住所 唐津市鎮西町波戸岬1616-1
電話番号 0955-82-4774
営業時間 9時から17時(土日のみ9時から)
店休日 元日
駐車場 無料(一部有料有り)
アクセス ■車:長崎自動車道多久インターチェンジから車で70分
■JR:JR唐津線、筑肥線唐津駅からタクシー利用で30分
■バス:唐津市大手口バスセンターから昭和バス波戸岬行き乗車、バス停波戸岬下車徒歩5分

オルレに行く前の準備

オルレに行く際の服装や注意点などをガイドの福浦さんからお聞きしたので、ここまで読んでオルレに興味を持った方のためにご紹介します。

当日の服装について

筆者は運動靴にジーンズ、半袖シャツとラフな格好で歩きました。しかし雨が降ったりすると、地面がぬかるんでいたり、山の中を歩いたりするので、マウンテンシューズや長袖をおすすめします。
雨対策としては、カッパだけでなく、折りたたみ傘もあるとより安心です。
ただし、これら全てを一から揃えるとなると、費用がかさんでしまうこともあります。自分の予算を考えながら少しずつ揃えるのがおすすめです。
余談ですが、コースによっては飲み物が手に入りにくいこともあるので、水筒も持参しましょう。
また食事できるお店が少ないコースもあります。事前にどこでお昼をとるか、お店が営業しているか確認しておくことをおすすめします。

注意点など

ガイドの福浦さんにお聞きした注意点は以下の通りです。
・ゴミを捨てて帰らない
・私有地に入らない
・草木を持ち帰らない
・人が入る写真を撮るときは許可をとる

五感を使って九州オルレを楽しもう

ガイドの福浦さんに九州オルレを楽しむにあたり大切なことをお聞きしました。 それはただゴールを目指すのではなく、「五感を使った体験を楽しむこと」とのこと。 
ガイドさんは、肥前名護屋城歴史ツーリズム協議会のホームページより予約しました。

コース名 九州オルレ唐津コース
所要時間 4時間から5時間
開始時間 9時から(要協議)
料金 【コースガイド】※ガイド1

サイトにはガイドコースが複数ありますが、オルレのガイド予約は、『4.九州オルレ唐津コース』から可能です。 
ガイドさんは人数に限りがあるため、オルレに行くことが決まったらなるべく早めに予約をしましょう。 ガイドさんをつけることで、歴史を深く知れることはもちろん、初めてでも安心してオルレに参加できます。 

ぜひ興味を持った方は、初心者向けの唐津コースからオルレを始めてみませんか? 

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池松晃弘

佐賀って実はディープ!知れば知るほどハマる魅力的なスポットと楽しみ方をお届け!
神奈川県出身、九州を拠点に活動するフリーライター。28歳で福岡へ移住。瞑想が趣味なので、マインドフルネスになれるスポットをご紹介します。

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    柴田愛梨

    愛知県岡崎市出身。お試し移住などを体験し、佐賀の虜に。
    現在は海の近く唐津市に拠点を置き、フリーランスで活動中。歴史、やきもの、温泉、おいしい食べ物…そして人の温かさ。佐賀の魅力は数え切れないほど。楽しみながら魅力発信をしていきます!

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    『佐賀経済新聞』運営や『佐賀バルーンフェスタ』広報等を担う中でふと気づく、佐賀の人やスポットのストーリーをお伝えしていきます。

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    佐賀生まれ、理系大学生!食べることやお出かけが好きで、Instagramで佐賀の美味しい情報を毎日発信中。趣味はヨガ、好きな食べ物はプリンとお寿司。ライター初挑戦中ですが、私の記事が佐賀を知る、より好きになるきっかけになれたら嬉しいです!

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    広い空、新鮮な食材、おいしい空気。佐賀はどこを訪れても元気をもらえます。佐賀生まれ、佐賀育ちのフリーライター。海外取材のときは、必ず佐賀の米と佐賀海苔をスーツケースに詰めていきます。一番かわいいと思う生き物は有明海に生息するムツゴロウです。

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  • 九州王国編集部

    九州王国編集部